神社と寺と旅日記

神社や寺を訪れた記録です。休みの参拝なので、更新はまれです。

熱田神宮を参拝

6月某日

 熱田神宮を訪れることにした。

 名鉄電車で神宮前駅から5分ほど歩くと、熱田神宮に到着した。

 

 午前中だがすでに日は高く、道路を横断するころには汗ばみ始めていた。

 東門の鳥居をくぐると、状況は一変した。

 参道を覆う大きな木々のおかげで、気温が一気に下がる。外とは別の領域なのだと感じることができる。

東門の鳥居からの景色

 歩みをすすめると、樹齢1000年を超える大楠が見えてくる。

 

大楠

 手水舎の横で、大楠が迎えてくれた。樹齢1000年以上の大楠は、枝を大きく力強く広げ、青々とした葉をつけている。その力強さにしばし見とれる。
 建物はどうしても建て直さざるをえないが、木だけは変わらずに同じ場所に立っている。この大楠は織田信長をはじめ数々の偉人が見てきた、あるいは逆に見守ってきたのかもしれない。そんなご神木をみられることは、由緒ある神社に来る醍醐味の一つといえる。

 きっと力をいただけたと思いながら本殿に向かう。

熱田神宮 本宮

 熱田神宮は、熱田大神主祭神に、相殿神には、天照大神素戔嗚尊日本武尊、宮簀媛命、建稲種命を祭っている。熱田大神は、草薙神剣を御霊代・御神体にされている天照大神のことだそうだ。

 何度かきているのに今回、きちんと調べてみるまで気づかなかった。恥ずかしながら、草薙神剣そのものを祭っていると勘違いして祈っていた。祈る相手を知らないのは失礼で、よくないなと反省した。

 今回は、嫌なことを断ち切って、厄をはらっていただきたいと熱田神宮を訪れた。

 しっかりとご祭神を意識して参拝を行った。 

 見上げるとよく晴れて青空が気持ちいい。暑ささえなければ最高なのだが...

 

 社務所で御神印をいただく。振り返ると、特に祭事がないときにきたのに、ひっきりなしに人が訪れていた。さすが指折りの著名神社だと感じた。

 その後、宝物殿と草薙館にも立ち寄った。特に草薙館の刀の数々には圧倒された。神剣を祭る神社にふさわしい博物館であった。

 最後に、別宮八剣宮と上知我間神社も参拝した。こちらはあまり人がいなかったが、上知我間神社は初えびすの時には、商売人の皆さんが押し寄せるようだ。今の職業的にはあまり繁盛しない方がよいので、個人的な財運向上だけを祈ってみた。

 移動して、デパ地下で夕食のおかずを買って、小旅行を終えた。

 心身ともに充たされた休日であった。

 

善光寺 御開帳を訪問

6月某日

 久々に善光寺を訪れた。何度か訪れているが、御開帳の期間に来るのは初めてだ。

 コロナ禍で7年に一度の御開帳が伸び、さらに御開帳期間も1月延びて令和4年の6月までみれるということで、この機会にぜひ訪れたいと考えていた。

 朝8時30分ごろにバスで到着。

 この時、御開帳時の混み方を甘く考えていたことをすぐに知ることになる。

 「あれ、まあまあ早い時間だと思ったのに、人が多いな」などとのんきに仲見世通りを進むと、どえらい人混みが目に入る。

善光寺と回向柱

 「うむ、想像以上の混み具合」。すでに歩いてくる中で気づいていたことを、改めて口にする。

 とはいえ、ここで帰るわけにはいかない。回向柱の列にむかおう。

 警備員さんの指示に従い、列の最後尾にむかうと、さらに想像以上に奥へと誘導された。ずんずん進み、寺の横から駐車場に向かう道の途中でようやく最後尾にたどり着いた。横をみると同じく御朱印の列がある。どちらも引くくらい長蛇だ。

 回向柱の列に大人しく並ぶと、思ったより早く進む。

 一方で、御朱印の列はずっと止まっている。途中で並ぶ時間の目安が電光掲示板にでていた。御朱印の列は2時間30分待ちだそうだ。

 「朝の時点でこの待ち時間とは...」驚愕とともに、この時点で御朱印はあきらめようと決意した。

 

 回向柱の列は、この間もどんどんと進む。約30分くらいで、回向柱に到達した。

 回向柱は、ご本尊の絶対秘仏「一光三尊阿弥陀如来」の御身代わりである「前立本尊」と結ばれているとのこと。回向柱に触れることは前立本尊と触れることと同じであるため、大変な功徳が得られるそうだ。

 ようやく回向柱にたどり着いて、消毒をしっかりした後、触れた。ありがたいと思いながらも、続いて自分本位なお願いもしてしまう。いろいろと参拝してきたが、まだまだ煩悩は消えそうにない。

 回向柱に触れるという大きな目的を果たした後は、善光寺の中にむかう。入口をみると御印紋頂戴と書いてあった。なんのことか知らなかったが、どんどん人が進んでほとんど並んでいなかったので、行ってみる。

 見ていると、お坊さんが念仏をとなえながら、頭にぽんと大きな印鑑みたいなものを押していた。なんだかわからないが、神妙に手を合わせて私も押してもらう。

 後で調べると、ありがたい印を押してもらうことで極楽浄土が保証されるそうだ。

 知らなかったが、やっておいて良かった。ありがたい。

 お堂のなかも人だらけだったので、お守りだけいただき、すぐに退出した。

 本堂の御朱印はあきらめたものの、お隣の大勧進御朱印はいただけた。大勧進の住職は善光寺の住職を兼ねられているとのことだった。関係が深いので、きっとご利益は同じと信じて、これで良しとした。

 最後に近くの県立美術館に訪れた。かなりきれいな建物で、屋上から善光寺を臨むと初めて見る風景をみることができた。

長野県立美術館屋上

 帰路、長野駅までは、長野電鉄を利用してみた。いつもバスばかりだったので、初めての体験だ。善光寺下駅に到着して改札に向かう。

 かなり暗い。そして寒い。ホームにむかうと人がおらず、昼前だが結構怖い。

 電車の時刻が近づくと急に人が増えた。何か少しほっとする。

 

 初めての御開帳は、お寺では想定以上の混み具合だったが、帰路の駅ではあまりにも人がいないという逆の驚きを味わえた。

 初めてづくしで、おおむね満足な参拝となった。

 ただ、次の機会があれば、平日の早朝を狙って来ようと思いながら、今回の参拝行を終えた。

 

戸隠神社 中社、奥社

6月某日

 久しぶりの遠出で戸隠神社を訪れた。

 早朝に地元を出たものの、電車とバスを乗り継ぎ、戸隠神社中社についたのは、正午近くになっていた。

 空は曇り。

 半袖で過ごすことの多いこの時期でも、戸隠まで登って来ると肌寒い。心身ともに引き締まるなと思いつつ、中社に向かうと、お祈りの順番を待つ長い列があった。

 普段なら行列は避けるが、ここばかりはおとなしく並んで参拝をした。

 階段を降りると立派な三本杉があり、神秘的な様相をみせていた。

戸隠神社中社 三本杉

 

 ここでようやく昼ごはんをいただく。戸隠といえばそば。

 ここでも少し並んで、本場の戸隠そばを食べた。そばとつゆの香りが鼻をくすぐる。うまい。薬味を加えて味を変えながら、一気にすすり終えた。

 並んだ時間より早く、昼食を終えてしまった。

 

 再びバスで移動し、14時前に奥社前に降り立った。

 ここから2キロ弱の歩き。ここでも多くの人が歩みを進めている。何だか騒がしい町中のようで、来る前に想像していた神秘性は薄いと感じた。

 しばらく歩いて随神門につくと、様相は一変した。ここから先は巨大な杉並木が続く。人が多くても、非日常に身をおいていることを実感できた。

戸隠神社奥社 随神門

 とはいえ、奥社まではまだまだ先だ。だんだんと登りがきつくなり、息がつらい。標高の問題ではなく、単なる日ごろの運動不足の問題だろう。

 それでも休憩をはさまずに一気に奥社まで歩き切った。入口から30数分ほどの行程だった。

 最後の階段を登りきると、奥社と九頭龍社がみえた。最近にない達成感を味わえた。

 

 ここでも多くの人がおり、少し並んでご参拝を終えた。

 社は中社に比べてかなり小さいが、それでも場所を考えると大変な作業だったろうなと感じる。神様にお祈りするとともに、この社を立てた信仰する人の思いを感じ、そこを訪れさせてもらっていることに感謝した。

戸隠神社奥社

 

 最後に社務所御朱印とお守りをいただく。最後に一番並んだ気がするが、疲労回復にちょうど良い休憩時間となった。

 帰りも30数分歩き切ったが、下りのためか体感はかなり早かった。

 15時17分のバスに間に合った。

 幸い座ることができた。疲れから眠気に襲われる。ウトウトするうちに、バスは下界へと運んでくれた。

 いったん目が覚め、バスの中を見回すと、周囲の人も皆眠っていた。皆疲れたのだろうなと思いつつ、まだ長野駅までは遠いので、二度寝

 ふと気がつくと窓の外をみると、外は激しい雨になっていた。

 参拝を終えるまで天候がもったことを感謝しながら、今回の参拝行を終えた。